★はじめに★
現代日本人は、大雑把ではございますが、1万6千年前から日本列島にいた縄文人と、約3千年前以降に大陸から移住した渡来人とにより、形成されたと考えられております。
しかし、それらの人々が、どのように混じり合ったのかは、ハッキリしておりません。
今回ゲノム解析により、新たに、縄文人の影響が強い地域などが判明したようでございます。
★ニュース★
2020年10月14日、東京大学理学系研究科の大橋順准教授(人類遺伝学)らが、初めて日本人の遺伝的集団構造を、47都道府県レベルで分析し、詳細を明らかにいたしました。
論文→『Journal of Human Genetics』
他のニュース記事に掲載されている地図の方が判りやすいのですが、九州でも鹿児島県が最も強く、東北でも北東北が最も強い。そして北海道よりも北東北の方が強いようでございます。
★ポイント★
・朝鮮半島に近い九州北部よりも、『四国・近畿地方に渡来人の遺伝子が強く、中国・北京の漢民族と遺伝的に近縁であることが判明』いたしました。
・ 沖縄県と遺伝的に最も近い順番は『鹿児島県→九州と東北→最も遠いのは四国と近畿』 とのことでございます。
★おわりに★
別に驚く結果ではなく「やはり」な結果でございました。
前々から私は『容姿などの特徴』や『無アクセント』の共通点から、『九州と東北は、距離的には遠いけれど、遺伝的には近いのではないか』と、ブログでお伝えしておりました。
エミシが東北から他へと移動させられた出来事が影響しているのか、その逆で九州から東北へと移動したのが影響しているのか、もしくはどちらもが影響しているのか...
縄文語・アイヌ語・東北弁は『無アクセント』ですが、現在の北海道は『無アクセント』ではなく、標準語に近いアクセントでございます。
なので現在の北海道の方々は、北海道以外から移住した方々から続いている家系が多いということ...当然その分、縄文人の影響が薄くなっており、東北よりも薄いと考えられるのでございます。
言語からすればですが、九州では宮崎県、東北では福島県が、現在でも『無アクセント』の残る地域でございますが、九州と東北ですので、このゲノム解析の結果とも、だいたい一致しておりますね。
...ちなみに...
出雲の方々と、東北の方々も、『遺伝的に少し似ている』という事実が、過去に判明しております。
こちらも前々から『出雲弁と東北弁が似ている』という事実がありました。言語的特徴は遺伝的特徴を表すのかもしれませんね。
多分ですが、福島・三貫地貝塚人骨の特異集団というのは、ミトコンドリアハプログループですと、アジア系統の縄文人M7aではなく、ヨーロッパ系統の縄文人N9bだったということかもしれません。
...おまけ...
N9bと同じく、ヨーロッパ系統のN9aは、九州からも発見されております。
縄文時代の遺骨としては発見されておらず、弥生時代の遺骨として発見され現代日本人にもいることから、弥生人とされ、渡来人ともされておりますが、現代日本人に多いアジア系統の弥生人ミトコンドリアハプログループとは違うため、『縄文人の遺伝子を受け継ぐ人々』が正しいかと思われます。
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