【映画感想】Fukushima 50~当時の福島県民より

★はじめに★

2011年03月11日に発生した東日本大震災そして原発事故から、もう今年で10年が経過しました。

そのようなことから、先月には日本テレビの金曜ロードSHOW!にて、初放送がされました。

原作の本を持っているので、内容は知っていましたが、映画は観ておらず、ちょうどよかったです。


【予告編】

公式サイト→『Fukushima 50』



★映画感想★

【安全三原則】

止める・冷やす・閉じ込める



【津波の前】

津波が来る前に、カモメが鳴くという映像で表現されていましたが、確かにあの時、そのような感じで鳥達が騒がしくしておりました。



【03月11日15時40分】

地震から54分後に停電。原発で非常用電源が止まった=SBO(特別措置法第10条=緊急事態)



【03月11日19時45分】

首相官邸記者会見=緊急事態宣言が発せられた。


20時50分(地震から06時間04分頃)半径2キロ圏内(双葉)の住民に避難指示。


※この日、この時間帯、福島県内ではガスと水道は止まったものの、電気は使える状態でしたので、エアコンやコタツで暖まることができ、テレビも観れる状態でした。(いわき市だけ?)

しかし、福島県のテレビでは『行方不明者の読み上げばかり、原発が危険だなんて情報は、全くありません』でした。

むしろ『原発に問題が起きているという情報は無い』という内容が、少し流れていた程度でしたね。


ただネットからの情報で、『第1と第2で、津波のせいか、原発によるトラブルのせいかは判らないけれど、死亡者や被害者が出た』という嘘か本当か判らないような情報は、チラッと見かけました。

当時、私はいわき市民でしたが、後になって『原発付近の住民だけは、すぐ避難させられていた』と知りました。


なぜ、いわき市民...それから、その他の福島県民には、知らせてくれなかったのでしょうかね。


なので『卑怯者』と思いました。



【03月12日05時44分】

地震から14時間58分後、半径10キロ圏内(富岡)の住民に避難指示。


※この頃、私も昔から2度ほど見ていた『放射線から身を守る夢』で「南へ逃げろ」と言われていたのを思い出したのと、空気の異変を感じたことで自分の勘により、福島県より南にある茨城県、とりあえず私の実家へと避難しました。

主人それから実家の両親に、その夢と勘の話をし、「原発が危険だ」と伝えたら、馬鹿にされ笑われましたが...

その後、停電していた実家の電気が付き、テレビを付けたところ、すぐ15時36分頃に1号機爆発。

私が話していた内容が現実となってしまったことで、奇妙な出来事に恐怖な出来事がプラスされ、余計に、その場にいた全員が真っ青な顔になっていたのを憶えています。

しかし、その頃には既に遅し。車のガソリンも入れられませんし、もう実家で放射線対策をして乗り切るしかありませんでした。

ちなみに『放射線から身を守る夢』は、実家のベランダで白い布をかぶり、放射線から身を守っていると、「南へ逃げろ」という男性の声が聞こえてきた明晰夢です。



【03月12日18時25分】

地震から27時間39分後、半径20キロ圏内(楢葉~川内~南相馬)の住民に避難指示。

...しかし...

アメリカは『半径50キロ~80キロに避難勧告を出すべき』と言っていました。


※半径50キロ~80キロ=福島県内では、いわき市や相馬市もで、郡山・阿武隈くらいまで。関東では茨城県北茨城市より南まで。北茨城市で70キロくらいですね。



【03月14日11時01分】

地震から68時間15分後、3号機爆発。


2号機も爆発すれば、どうなるか...1986年04月26日に発生したチェルノブイリの10倍なので、つまり東日本壊滅を意味します。

結果、東日本壊滅は免れました。


※チェルノブイリの死者4000人、移住者11万6千人、半径30キロ圏内避難です。

もしも原発作業員が退避した場合は、半径250キロ(人口5000万人)。

地図上で解りやすく説明しますと、北は秋田県の真ん中~岩手県の真ん中、西は新潟県、南西~南は長野県の1部~神奈川県の1部くらいまでです。かなりの広範囲です。

何とか東日本壊滅は免れましたが、『2号機からは大量の放射線が放出』された事実を、お忘れなく。



★おわりに★

この映画を観て『涙が出た』という方もいらっしゃるようですが...私は一滴も出ませんでした。

原作の本を読んだ方、この映画を観た方は、あの大変な中で命をかけて頑張った原発関係者に対して『ヒーローのように感じ、感謝の心さえも芽生えた』かもしれません。

...しかし...

考えてもみて下さい。それが、その人達の仕事です。

そもそも『原発さえなければ、こんなことにはならなかった』のです。騙されてはいけません。


...それから...


どうせならば福島県内で起きていた、様々なあり得ないような事実も、表現して欲しかったですね。

お偉いさんや医療関係者や金持ちの一部は我先にと海外や遠くへ逃げて、ゴーストタウン状態になったけれど、ガソリンが入れられず逃げられない人達もいて、刑務所から罪人をも逃がしたなどなど。

少し落ち着いてからは、逃げていたお偉いさんが戻ってきて、まだ原発や放射線の影響が心配な中なのにも関わらず、ゴーストタウン状態なので「戻ってきて下さい」と、呼び掛けておりました。

県外から来ていた原発作業員による事件も発生、気質の違ういわき市民と元原発付近の住民達との間でも色々とありましたよね。今もあるかもしれませんが...

真実は、もっと黒く、ドロドロしているはずなのです。