【読書感想】もののけ姫の秘密


目次


はじめに なぜ『もののけ姫』と格闘したか...エミシの主人公に注目/権力に徹底抗戦した久慈一族/宮崎作品とわたし


序章『もののけ姫』の背景...賢治童話と宮崎アニメ/賢治の生涯と宮崎の半生/初期設定版『もののけ姫』/『もののけ姫』の全体像/商業的娯楽映画としての枠/『もののけ姫』のあらすじ


第1章「人物」考...真の主人公としてのアシタカ/大和朝廷に最大の抵抗をしたエミシ/エミシはツングース系の古モンゴロイド/調停者としてのアシタカ/人身御供にされたサン/生き物達の代弁者としてのサン/縄文的キャラクターとしてのサン/ポンヤウンぺとサン


第2章「異族」考...もう一人の主人公としてのエボシ/異族コンミューンの創造者としてのエボシ/部落民は奴隷化された先住民/エボシは異族出身である/「革命家」としてのエボシ/日本列島の中の「異族」とは何か


第3章「朝廷」考...不老不死の力をもとめる帝/植民地侵略勢力の御神輿としての天皇/朝廷の密偵としてのジコ坊/朝廷の秘密組織としての師匠連/朝廷の雇われ組織としての唐傘連/師匠連の雇われ組織としての石火矢衆とジバシリ


第4章「動物」考...動物に冷たい作者/ホルケウカムイとしてのモロ/絶望感を漂わせる猩々/猪突猛進する乙事主/ヤックルと野生馬


第5章「精霊」考...自然の脅威を体現するタタリ神/自然の神秘を体現するシシ神/カムイとしてのコダマ/「もののけ」とおとしめられた者達


第6章「森林」考...白神山地と落葉広葉樹林/母なる存在としての樹木/シシ神の死んだ森


第7章「歴史」考...室町時代の朝廷と幕府/アサノ公方と侍/室町期のエミシとアイヌ


第8章「言語」考...縄文語への配慮の欠如/縄文語とアイヌ語/登場人物の名前のいわれ/動物達の名前のいわれ


第9章「民話」考...シシ神とダイダラボッチ伝説/モロと「犬神伝説」/エボシと悪路王伝説


第10章「民族」考...縄文文化としての食/縄文文化としての衣/縄文文化としての装飾品/縄文文化としての占い/縄文文化としての住/縄文文化としての武器


第11章「技術」考...野ダタラは異族の文化/自然破壊の元凶としての鉱山業/石火矢は大陸文化


第12章「女性」考...巫女としてのヒイ/アシタカの恋人としてのカヤ/女性優位のタタラ場


第13章「象徴」考...文明が生み出した毒としての「痣」/自然と異族の報復としての「呪い」/タタリの具象化としての蛇


第14章「文明」考...文明と自然/人間と文明/縄文文化と弥生文明


終章『もののけ姫』の疑問点...エボシのアシタカへの対応/作者の絶望感/『もののけ姫』の最終クライマックス/挿入歌の謎


おわりに 実践的な立場から



感想


著者は、岩手県生まれのジャーナリスト・住民運動家。乱開発反対運動・自然保護・行政監視、住民自治拡大などの実践・著作に取り組む、久慈 力(くじ つとむ)氏。


東北生まれということもあり、著者自身のルーツも関係してのことだと思われますが...縄文文化・先住民文化・東北古代史・エミシの抵抗史に関心を持ち続けている方のようです。


おこがましいのですが、何となく「私と似ている」と、思ってしまいました。



あの有名な『もののけ姫』は、東北のエミシであるアシタカと、西の犬神(山犬)に育てられたサンが、主人公とヒロインとして描かれている作品です。


その有名作品について、豊富な知識ある著者の視点から見た疑問・分析・批判がされている、大変に興味深く、面白い本でした。



まず最初の方から、驚きました。


目次、第1章の部分からも解るように、ハッキリ『エミシはツングース系の古モンゴロイド』と書かれてあるのです!


これまで色々なエミシに関する本を読んできましたが、ここまでハッキリ書かれてあるのは、初めてです。


まさか『もののけ姫』に関する、この本で、こんなに簡単な言葉で、知ることができるとは(笑)



しかも、その見解は、私の頭の中にあるエミシと近いです。


私が考えるエミシというのは、縄文人もしくは縄文系であり、出雲族=物部家(ツングース系)の影響が強く、北海道のアイヌでもなく、本州の和人でもなく、大陸からの渡来人でもない。


しかし奥州藤原三代くらいまでをエミシと考えますと、エミシは出雲族でもあり、アイヌでもあり、和人でもあり、渡来人でもあり、その他でもあるといえます。


色々と混じったからです。なので、どれでもなく、どれでもある。それがエミシなのだと思います。



『もののけ姫』の歌詞についても触れていましたが...


私ならば、こう替え歌にして、遊びますね。


最後の「もののけたちだけ♪」の部分を...「もののべ(もののふ)たちだけ♪」


『物部の血が流れる人達のみぞ知る、まことの心』が、ありそうだからです。

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