【読書感想】もののけ姫の秘密

著者は、岩手県生まれのジャーナリスト・住民運動家。乱開発反対運動・自然保護・行政監視、住民自治拡大などの実践・著作に取り組む、久慈 力(くじ つとむ)氏。


東北生まれということもあり、著者自身のルーツも関係してのことだと思われますが...縄文文化・先住民文化・東北古代史・エミシの抵抗史に関心を持ち続けている方のようです。


おこがましいのですが、何となく「私と似ている」と、思ってしまいました。



あの有名な『もののけ姫』は、東北のエミシであるアシタカと、西の犬神(山犬)に育てられたサンが、主人公とヒロインとして描かれている作品です。


その有名作品について、豊富な知識ある著者の視点から見た疑問・分析・批判がされている、大変に興味深く、面白い本でした。



まず最初の方から、驚きました。


ハッキリ『エミシは〇〇系』と書かれてあったのです!


これまで色々なエミシに関する本を読んできましたが、ここまでハッキリ書かれてあるのは、初めてです。


まさか『もののけ姫』に関する、この本で、こんなに簡単な言葉で、知ることができるとは(笑)



しかも、その見解は、私の頭の中にあるエミシと近いです。


私が考えるエミシというのは、縄文人もしくは縄文系であり、出雲族=物部家の影響が強く、北海道のアイヌでもなく、本州の和人でもない。


しかし奥州藤原三代くらいまでをエミシと考えますと、エミシは出雲族でもあり、アイヌでもあり、和人でもあり、渡来人でもあり、その他でもあるといえます。


色々と混じったからです。なので、どれでもなく、どれでもある。それがエミシなのだと思います。



『もののけ姫』の歌詞についても触れていましたが...


私ならば、こう替え歌にして、遊びますね。


最後の「もののけたちだけ♪」の部分を...「もののべ(もののふ)たちだけ♪」


『物部の血が流れる人達のみぞ知る、まことの心』が、ありそうだからです。